シャタバリとアーユルヴェーダの薬草学

シャタバリとアーユルヴェーダの薬草学

「もだま工房のシャタバリ(Asparagus racemosus / )は、効果がシャープに実感できる」と多くのお褒めの言葉をいただきますが、その秘密は「いつも新鮮であること」です。

鮮度を維持するため、石垣島では数か月ごとに収穫を行っています。

しかし、これが簡単なようで意外と一筋縄ではいきません。大地を強く抱きしめるように深く生えている根を掘り起こすため、地面が乾きすぎていても、雨が降りすぎていても収穫ができなくなってしまうのです。

さらに、天候や台風のタイミング、日々の作業との兼ね合いで品切れになってしまうことも……。収穫後も、一本一本手作業で芯を抜き、乾燥させて粉末にするまでに約1週間以上の時間をかけて丁寧に仕上げています。

【芯抜きのひと手間】 シャタバリの根の芯は「消化に重い」とされているため、手作業でするっと抜き取っていきます。手間暇はかかりますが、このひと手間が品質を支えています。


 


アーユルヴェーダで読み解く「シャタバリ」の性質

シャタバリは女性ホルモンのバランスを整え、PMSや月経障害、更年期障害の緩和、妊活、肌の潤い保全など「女性のためのハーブ」として知られています。

しかし、アーユルヴェーダの理論を学ぶと、さらに深い魅力が見えてきます。

アーユルヴェーダでは、ハーブの性質を以下のような要素で分類・観察します。

  • 学名Asparagus racemosus

  • 使用部位:根

  • ラサ(味):甘味・苦味
  •  グナ(属性):重性・油性

  • ヴィールヤ(薬力源):冷性
  • ヴィパーカ(最終的に体に生じる味・作用)甘味
  • 作用するドーシャ:ピッタとヴァータを鎮静

アーユルヴェーダには「異質な性質はドーシャを下げる」「同質な性質はドーシャを上げる」という基本法則があります。(サーマーニヤ・ビシェーシャの法則)

  1. グナ(属性)から見る 「重・油」という属性を持つため、反対の性質(軽・乾)を持つヴァータピッタをしっかり鎮静してくれます。

  2. ラサ(味)から見る 甘味と苦味はどちらも「冷」の力を持つため、体内の熱を冷まし、過剰なピッタを抑えます。また、甘味は地元素と水元素からできているため、体に滋養と潤いを与えてくれます。

  3. 消化への影響 「重性」があるため消化には少し時間がかかります。アーマ(未消化物)が溜まっているときや、カパが過剰なときは摂取を控えめにするのがポイントです。

慣れてくると、初めて目にするハーブでも匂いを嗅いだり少し噛んでみたりするだけで、「これはきっとこういう性質だな」とゲーム感覚で分かるようになっていきます。


姿かたちや生え方にも現れるハーブの性質

ときには、植物の「形」や「育ち方」からもその効果を感じ取ることができます。

シャタバリは、大地を抱きしめるようにたくさんの太い根をがっちりと張らせ、その根にはみずみずしい水分をたっぷりと含んでいます。

「大地・水・がっちり・抱きしめる・潤い」

これらのキーワードを見るだけで、アーユルヴェーダを学んだ人なら「なるほど、ヴァータを下げて滋養を与えるハーブだな」と直感的に理解できるのです。


性質(属性)から納得できる多彩な作用(カルマ)

これらの基礎性質を踏まえると、文献に書かれているシャタバリの多彩な作用(カルマ)にも深く納得がいきます。

  • 消化器系のケア:苦味と冷性の力で、胃炎や胃潰瘍、胃酸過多などの炎症性疾患を穏やかに冷却・鎮静します。

  • 皮膚や血液の整え:過剰な熱を逃がすことで、にきびなどの皮膚トラブルや血液障害を改善に導きます。

  • 滋養と若返り:冷性と栄養特性によって疲労をやわらげ、脂肪を増やさずに筋肉を補強。優れたアンチエイジング(若返り)や活力源となります。

  • 男性へのサポート:前立腺の若返り作用や、精子の質・量の改善にも力を発揮します。

  • 心へのアプローチ:冷却と潤いの効果は心にまで及び、サットヴァ(純粋性・聖性)を高めて愛や献身の気持ちをもたらしてくれます。

宇宙の成り立ちから植物の性質、人間の体質まで、同じひとつの理論でスッキリと整理して説明できるのがアーユルヴェーダの面白さです。

理論を知ることで、「なぜこのハーブが効くのか」がより深く、自然と納得できるようになります。

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