認知症予防に役立つハーブの知恵
近年、高齢化の波とともに「認知症」への関心が急速に高まっています。かつての予測を上回るスピードで、私たちの身近な問題となりつつある認知症。今や、誰もが当事者や家族として向き合う可能性のある時代を迎えています。
認知症は、発症した後のケアや生活習慣の改善も大切ですが、何よりも「手前の段階で予防すること」が、心身の負担を減らすためにも圧倒的に現実的で、私たちが今すぐ始められるアプローチです。
海外のアーユルヴェーダに関する文献では、脳の機能や質を守るために、自然のハーブを取り入れた以下のようなアプローチが紹介されています。
「……脳細胞の全体的な機能と質を高めるために、伝統的な処方が役立ちます。例えば、パンチャティクタグリタ、グッグル、グドゥチ、アムラ、ハマズゲなどです。また、脳の働きをサポートする『メディヤ(Medhya)』と呼ばれるハーブのカテゴリーには、ツボクサやリコリス(甘草)、バコパモニエラ、シャンカプシュピ(チョウマメ)などが含まれます。これらは脳の機能を安定させ、細胞の健やかさを長期的に守る手助けをしてくれます」
ここで名前が挙がっている「パンチャティクタグリタ(Pancha Tikta Ghrita)」について、少しご紹介しますね。 これは、アーユルヴェーダにおいて「5つの苦いハーブ(パンチャ・ティクタ)」を、ベースとなる「ギー(精製バター・Ghruta)」で煮出した伝統的な薬用ギー(オイル)のこと。苦味のあるハーブは体の中の余分な熱や毒素をクレンジングする力が強く、それを脳や神経系を滋養するギーと組み合わせることで、成分を体の深部(脳組織など)まで効率よく届けることができると言われています。体の土台を整え、クリアな毎日をサポートしてくれる、アーユルヴェーダの知恵が詰まった特別なオイルです。
しかし、ここで紹介されている素晴らしいハーブたちの半数以上は、現在の日本の法律(医薬品医療機器等法)の規制により、簡単には売買ができないのが現状です。
日本にも豊かな自然があり、役立つ植物がたくさん育っています。アーユルヴェーダや漢方の知識を正しく扱える資格制度などがより柔軟に整備され、私たちがもっと身近にこれらのハーブに親しめる環境になれば……と思わずにはいられません。
もちろん、法律の範囲内で「自分自身や家族のために、自己責任で取り入れること」までは禁じられていません。
これから先、医療制度や社会の仕組みがどのように変化していくか分からない時代だからこそ、こうした植物の知恵を身につけておくことは、自分自身、そして何より「大切な家族」を守るための生涯の財産になるはずです。
現代医学の素晴らしさは言うまでもありませんが、病気になる前に心身を整える「予防の知恵」として、ヨーガや伝承医学が教えてくれるセルフケアには、今を生きる私たちへのヒントがたくさん詰まっています。まずはできることから、未来の笑顔のためにアーユルヴェーダを取り入れた習慣を始めてみませんか。
パンチャティクタグリタに含まれるハーブは以下の5つ
Nimba(ニーム)Azadirachta indicaインドセンダン
Guduchi(グドゥチ)Tinospora cordifoliaイボツヅラフジ
Vasa(ヴァーサ)Adhatoda vasicaアダトダ(マルバナッツ)
Patola(パトーラ)Trichosanthes dioicaインドカラスウリ
Kantakari(カントゥカーリ)Solanum xanthocarpumキンギンナスビ