放射能とトゥルシー(ホーリーバジル)その2
ホーリーバジル(トゥルシー)の放射能防御システム
かつてアーユルヴェーダの賢人たちは、インド国内でこのハーブを広く栽培することによって、健康で豊かな国創りをしようと試みたと言われています。
時代が下り21世紀に入ると、聖者パパジ師が「インド古来の最重要神聖薬トゥルシー(ホーリーバジル)を世界に出す時期が来た。特に病んだ国に広める」と宣言されたそうです。そして、このハーブは日本にもやってきました。
トゥルシーは伝統的に「空気を清め、不幸や病を寄せ付けない」と信じられ、インドでは信仰の対象にもなっています。では、現代科学や医学的な観点から見るとどうでしょうか?
今回は、ひとつの医学論文の要約を訳してご紹介します。
論文の翻訳という性質上、少し堅苦しく読みづらい部分もあるかと思います。 要点をシンプルにまとめると、マウスを用いた実験において「放射線照射前にトゥルシーを与えたグループは、与えなかったグループに比べて染色体異常(ガン化の兆候など)からの回復が明らかに早かった」という結果が出ています。
そのメカニズムは、トゥルシーが持つ活性酸素の除去作用と、異常をきたした細胞を速やかに代謝・修復する免疫系の強化によるものと考えられています。
より正確な詳細を知りたい方は、以下の要約訳をご覧ください。
【論文要約】
マウス骨髄への放射線誘発性染色体損傷に対するトゥルシーの保護作用
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原題: Protection against radiation-induced chromosome damage in mouse bone marrow by Ocimum sanctum
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所属: a. Dr. T.M.A. Pai Research Centre, Kasturba Medical College (India) b. College of Pharmacy, Manipal (India)
【研究の概要】 トゥルシー(ホーリーバジル)の葉抽出物(以下、OE)が持つ放射線防護効果を、骨髄細胞の「染色体異常」を指標として検証しました。
成体スイスマウスを、事前処理(5日間連続で体重1kgあたり10mgのOEを投与)したグループと、未処理のグループに分け、全身に1〜6グレイ(Gy)のガンマ線を照射しました(最終投与の30分後に照射)。照射後1日、2日、7日、14日目の大腿骨骨髄細胞を回収し、異常の出現頻度や種類を記録・比較しました。
【実験結果】
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OEのみ(放射線なし): 染色体に異常は一切見られませんでした。
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放射線照射グループ全般: 照射後24時間で細胞異常の数値がピークに達しました。
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損傷の比較: 放射線単独群とOE併用群のいずれも線量に応じた損傷増加が見られましたが、OEを事前に投与したグループは、損傷の増加ペース(傾斜)が明らかにゆるやか(有意に低い: p < 0.05)でした。
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回復速度: 放射線単独群と比較して、OE投与群ははるかに早い回復を示しました。特に低〜中線量域において、OEの前処理は1日で交換型異常(深刻な染色体損傷)をほぼ完全に排除しました。
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活性酸素の消去作用: 化学的検証により、OEはヒドロキシラジカルの発生を大幅に抑えることが確認されました。
【結論】 これらの結果は、トゥルシー(OE)が生体内で放射線による遺伝毒性・細胞損傷に対する保護効果を発揮することを示しています。その主なメカニズムは、強烈な活性酸素の消去(抗酸化作用)にあると考えられます。
(※補足:ヒドロキシラジカルとDMSOについて) ※論文中に登場するDMSO(ジメチルスルホキシド)は、強力なヒドロキシラジカル消去能を持つ物質です。実験ではOE(1mg/ml)がそのDMSO以上の顕著な消去活性を示しました。
ヒドロキシラジカルは、活性酸素の中でも極めて反応性が高く、DNAやタンパク質、脂質を直接攻撃して損傷を与える物質です。人間の体の約70%は水(H2O)ですが、放射線を浴びると体内の水が分解されてヒドロキシラジカルが発生します。 恐ろしいことに、生体内にはこのヒドロキシラジカルを直接分解できる酵素が存在しません。そのため、強力な消去活性を持つ抗酸化物質を体外から補うことは、活性酸素を取り除き、放射線被害や老化・疾患から体を防御する一つの重要なシステム(一助)と考えられます。
このコラムを書いたのは2011年11月でした。 今後を考えていく上での一つの参考になればと思い、そのまま残すことにします。
基本的には、日頃から免疫力を高める生活を心がけることが大切だと私は思っています。そして「疲れすぎないこと」も本当に重要です。
また、「注目したものが拡大する」という意識の法則も忘れずにいたいです。
「不安だ」と思って不安な要素を探せば、いくらでも見つけることができます。逆に「大丈夫だ」と思って安心できる要素を探せば、それもまた見つけることができるでしょう。そのどちらも、自分にとっての事実になり得るのだと思います。
盲目的に「信じたいように信じればいい」と言いたいわけではありません。 「自分の心」が「自分の現実」を作っていくからこそ、まず自分がどのような心でいたいのかを自覚しておくことが大切だと思うのです。
その上で、耳に入ってくる情報の根拠をしっかりと確かめましょう。 「〇〇大学の〇〇先生が言っているから」というのは、情報の「出所」であっても「根拠(データ)」そのものではありません。私自身も、感情ではなく客観的なデータを見るよう心がけています。
震災後の数ヶ月、SNSやブログには噂の域を出ない情報が多く飛び交い、いたずらに不安と混乱を広げていたように感じます。そうした状況の中で、発信自体を自粛していた方も多かったはずです。
日本がただ「危険」か「安全」かという二元論ではなく、データを見ることで初めて「自分がどう行動すべきか」が見えてくるのだと思います。
安全基準の不透明さや情報の非公開がかえって国民の不安を煽り、風評被害を広げる結果になった点は、真摯に反省されるべき政治・社会の課題でしょう。 そして私たち一般人は、「どこそこにこういうデータがある。だから私はこう考える」と、根拠を添えて冷静に語り合う姿勢が望ましいのではないでしょうか。
根拠が明確であれば、もし間違いがあっても素直に訂正できます。しかし根拠があいまいなまま「だってそうなんだもん!あなたが知らないだけ!」と感情的になってしまえば、不毛な言い争いを生み、誤った情報が流布して心まで荒んでしまいます。
東北や北関東はもちろんのこと、あの震災と原発事故によって、日本中の人々の心が何らかの形で被災したのだと感じています。 「こころ」の復興に向けて、私たちもそろそろ情報の瓦礫を一つひとつ片付けていきたいものですね。
どうぞ、お元気にお過ごしください。