トゥルシー(ホーリーバジル)の種類と混同について
トゥルシー(ホーリーバジル)の種類と混同について
ホーリーバジル(トゥルシー)は、市場やインターネット上で品種の混同が非常に多く見られます。
実際に画像検索をしてみても、全く異なる種類のバジルの写真がいくつも出てきます。私自身、栽培を始める際に海外の種苗メーカーから種を取り寄せましたが、メーカーごとに届く品種が異なるほど混乱しているのが現状です。
そこで、アーユルヴェーダの薬草学に詳しいインド本国の先生に尋ねたところ、次のような答えが返ってきました。
「トゥルシーと呼ばれるものは数多くあるが、クリシュナトゥルシーこそが本物のトゥルシーだ。」
栽培にあたっては、このクリシュナトゥルシーを中心に据えるのが良いという助言をいただきました。植物の学名で言えば、Ocimum tenuiflorum(旧学名:Ocimum sanctum / 和名:カミメボウキ) に該当する品種です。

海外と日本における主な分類
海外では、トゥルシーは主にクリシュナトゥルシーとラクシュミトゥルシーの2種類に大別されると言われています。
ラクシュミトゥルシー ☆
一方、日本では「ラマ」「バナ」「クリシュナ」の3種類があると言われることが多いようです。しかし実際には、ラクシュミトゥルシー、あるいは下の写真のものを「ラマトゥルシー」と呼んでいるショップや農園が多いのが現状です。

なお、こちらは種苗会社によっては「カプールトゥルシー」として販売されていることもあります。
また、バナトゥルシー(学名:Ocimum gratissimum )は非常に葉が大きく育ち、背丈も2mを超える大型の品種です。

そして、現在日本で最も普及しているのがこちらです。日本での普及に尽力され、『奇跡のホーリーバジル』の翻訳でも知られる大矢氏が、日本の気候条件に適した品種として全国に紹介された「大矢トゥルシー」と呼ばれるものです。

当農園(もだま工房)では、ほかにもマルワトゥルシーやナーイトゥルシーなど、様々な品種を大切に育てています。
名前の呼称と品種の違いについて
写真で紹介した「ラマトゥルシー」に関しては、ネット情報や専門家の間でも意見が分かれています。インド現地でも地域によって呼ばれる品種が変わるため、現在のところ「日本では一般的な多数決として、これをラマトゥルシーと呼んでいる」というのが実情です。
バジル類は非常に交雑(こうざつ)しやすく、異なる種類を近くで栽培するとすぐに交じり合ってしまいます。そのため、地域や生産者によって同じ「ホーリーバジル」という名称でも品種に差異が生じます。
以前ご紹介した放射線対策などの研究論文で扱われているのも、このクリシュナトゥルシーです。また、インドの寺院や一般家庭で祀られているものも、私が見てきた限りではすべてクリシュナトゥルシーかラクシュミトゥルシーでした。
ラクシュミトゥルシーも寒くなると紫色に変色し、クリシュナトゥルシーも盛夏には緑色に近づきます。この2種は葉色の表情に違いはあるものの、同等に近い品種として捉えてよいと考えています。