アーユルヴェーダハーブ

ムクナ豆

Kapikachhu / カピカッチュ

別名:ハッショウマメ(八升豆) 学名:Mucuna pruriens

使用部位
種子
グナ(性質)
重性(Guru)・油性(Snigdha)
ラサ(味)
甘味(Madhura)・苦味(Tikta)
ヴィールヤ(効力)
ウシュナ(温性)
ヴィパーカ(消化後の味)
甘味(Madhura)
作用するドーシャ
V↓ P↓ K↑(特にヴァータ鎮静に優れる)
作用するダートゥー
すべて(特に神経系・生殖器系)

(現代のアーユルヴェーダ解説本ではVK↓P=と表記するものもあります。古典書は薬理的に、現代書は実際に目に見える効果からこの様に表記しているように思います)

カピカッチュとドーパミン

ムクナ豆

カピカッチュは、神経と生殖器官に対する強い強壮薬としてアーユルヴェーダで用いられています。…

ドーパミンは中枢神経系にある神経伝達物質で、ホルモンの調節や運動機能、心地よいという感覚や物事を前向きに進める意欲、やる気、そして学習などに必要な物質です。短期記憶が長期記憶として保存される際にも必要です。このドーパミンが不足すると、やる気が出ない、人生がつまらないといった鬱的な症状なども起きます。

一方、ドーパミンが満たされれば、不安(ヴァータの増悪)や、やる気が出ない(カパ的な精神の停滞)などで弱ってしまった心に対しても前向きな良い効果が現れます。カピカッチュはヴァータを強力に鎮め、身体に滋養を与える(カパを増強する)ことで、深いレベルから活力を取り戻させます。特に思い当たる理由はないのだけど、何となく不安だったり、何となく人生がつまらない……などという時には、「自分の何が間違っていたのだろう?」という哲学的な問いの前にまず、こういった肉体的理由を探ってみるのもいいかもしれません。

脂肪を除き、筋肉量を増やすサポート

ドーパミンレベルを上げることによって、ムクナ豆(カピカッチュ)はヒト成長ホルモン(HGH)の生産を刺激し、脂肪を除き、筋肉量を増やす可能性が示されています。ドーパミンは体内のHGHを増加させることが示されており、HGHはタンパク質合成を増加させ、筋肉の成長を刺激するのを助けることが知られています。カピカッチュエキスは、海外ではボディービル用のサプリメントとしても一般に販売されています。

ストレスの軽減

ムクナ豆にはリラックス効果があり、スムーズな入眠を助けます。L-ドーパから産生されたドーパミンは、睡眠ホルモンであるメラトニンを分泌する松果体に作用します。より高いドーパミンレベルは、ストレスの低下および弛緩(リラックス)する能力の向上と関連していることがわかっています。

生殖器系への働き

すべてのダートゥー(体組織)に活力を与えるカピカッチュは、生殖器官にも非常に効果的で、アーユルヴェーダでも最高の強壮薬かつ催淫薬のひとつといわれています。活力の減退や、男女の健やかな妊活のサポートに有用とされています。さらに海外などでは、男性の活力向上サプリメントなどの主原料に使われているにとどまらず、ツボクサやアシュワガンダ(Withania somnifera)との組み合わせで生殖器の機能をサポートするサプリメントとして、とても人気があるようです。

炎症を軽減

ムクナ豆はまた、体内の炎症を軽減するのにも役立つとされています。

ムクナ豆で気をつけること

⚙️ 摂取について

ムクナ豆がとても有用なものであることが分かりましたが、一方で過剰に摂取した場合、まれに幻覚などの副作用もあるといわれています。ドーパミンが出過ぎてしまうためです。

これについてはアーユルヴェーダでは対処法が確立されています。一般の方(症気の治療目的ではなく、あくまで強壮や健康維持を目的とした場合)は、ギーとともに加熱処理した豆を摂るか、またはギーと一緒にとること、そして用量を守ること(粉末で1回3g~10gくらいを1日2~3回まで)で問題は起こらないといわれています。ですが、いきなり10gなど多量にとらずに、少ない量から始めて自分に合った量を探っていきましょう。小さじ1/3くらいから始めて、小さじ半分くらいにとどめておくのがよいと思います。

病気のケアを目的とする場合には、やはりアーユルヴェーダドクターに相談することが大切です。そして、温めたミルクとともにとるのが消化管への負担も少なく、また効果的とされています。妊活などでシャタヴァリ(Asparagus racemosus)と一緒にとるのはとても効果的だということですが、両方ともやや消化には重い(カパを増やす)性質を持つため、消化器系に負担がないように温めたミルクとともに、量をとり過ぎないように気をつけるといいでしょう。また、粉末と小さじ一杯のギーを混ぜたものを飲むと、強い咳などにも効果があると文献にはあります。一度に大量にとらなければ、あまり神経質にならなくても大丈夫なようです。

⚠️ 生の豆について

豆粒のままであろうと、粉砕した状態であろうと、加熱調理していない生のムクナ豆を食べてはいけません。豆に含まれる「あく」の影響で下痢、吐き気を起こす場合があります。そこまで悪化しなくても、胃のむかつきや気持ちの悪さを強く感じます。この豆に含まれる「あく」(フィゾスチグミンなど)は、たけのこなどのあくと同じです。もし食べてみてこのような症状が出た際には、加熱が足りなかった可能性があります。フライパンなどで炒りなおしましょう。

あくは、煮る・炒めるなどの加熱調理で取り除くことができます。熱を加えればまったく問題はありません。昔、食料としてムクナ豆を食べていたときには、煮こぼしたり、粉にしてから水にさらしたりしていました。これはムクナ豆に含まれるL-ドーパを大量にとってしまわないための処置でもありました。しかし、このL-ドーパこそが有効成分でもあるため、健康食品として利用する際には、加熱処理した豆を少量とることによって健康に寄与させる方法が一般的です。

そしてうれしいことに、ムクナ豆を加熱し、粉にしたものは、まるで「きな粉」。とてもおいしく食べることができます。ただし、上あごにくっつきやすいので、むせないように気をつけましょう(^^♪ もだま工房のムクナ豆は、ギーで加熱処理してから粉にしてあります♥

副作用とアレルギーについて

ムクナ豆(Mucuna pruriens)の副作用とアレルギーについてなされた決定的な研究はありません。収穫のときにさやの外側についている毛で、農業者が痒みを覚えるといわれているくらいです。(インド産のものは痒みが強く出るようですが、日本で現在作られている系統はこの痒みがあまり出ないようです。)

しかし、この豆には神経学的作用があり、また多くのL-ドーパが含まれているため、妊娠中や授乳中の方、小さなお子様は避けたまうが無難でしょう。もしパーキンソン病などでL-ドーパ製剤を服用している場合、必要以上にL-ドーパを摂取することにつながりかねません。ドーパミンが過剰に生成されて、不随意運動や幻覚、低血圧などの副作用が出る恐れがありますから、必ず主治医にご相談ください。その他、透析患者の方や、向精神薬を服用している人も、主治医のアドバイスをもらいながら摂取することが望ましいといわれています。

期待される働きまとめ

🌿 主な作用

  • 強壮・若返り(滋養)
  • 収斂・駆虫
  • 催淫
  • 血糖・プロラクチンの引き下げ
  • 抗出血・精子形成のサポート
  • 抗けいれん・抗酸化

💚 全身への働き

  • 神経系・生殖器系への強壮・若返り作用
  • ドーパミン産生サポート(L-ドーパ含有)
  • やる気・意欲・学習能力のサポート
  • 活力減退の改善
  • 男女の健やかな妊活への有用性
  • 血糖値・プロラクチンの調整
  • ヴァータ・ピッタの鎮静、カパの増強(滋養)
⚠️ ご注意

多量服用により幻覚誤発などの報告があります。適量を守ってご使用ください。生の豆は絶対に避け、必ず加熱処理されたものを摂取してください。パーキンソン病のお薬を飲まれている方、妊娠中・授乳中の方はご利用前に必ず医師にご相談ください。(※本ページの内容は効果・効能を保証するものではありません。)

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